Entries

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)
http://honyonderu.blog28.fc2.com/tb.php/4182-e46c06a7

トラックバック

コメント

コメントの投稿

コメントの投稿
管理者にだけ表示を許可する

ルシファー・エフェクト ふつうの人が悪魔に変わるとき 8

かつてスタンフォードで学生を囚人役・看守役に振り分け、模擬監獄実験をしたところ、看守役が行きすぎた対応を取ったため、中止されたということがありました。

この実験結果は、よく対人関係、心理学の本で紹介されています。

その実験の詳細が描かれた一冊。
ここまで掘り下げた一冊は、主催者でなければ書けません。

有名な実験結果の背景が分かるはず。

分厚いですが、それだけの価値がある内容です。


ルシファー・エフェクト ふつうの人が悪魔に変わるとき
ルシファー・エフェクト ふつうの人が悪魔に変わるときフィリップ・ジンバルドー Philip Zimbardo 鬼澤忍

海と月社 2015-08-03
売り上げランキング : 9095


Amazonで詳しく見る
by G-Tools





第一に、世界には善と悪の両方が満ちている。過去も、現在も、未来も……。第二に、善悪の境界線は明確ではなく、通り抜けられる。そして第三に、天使が悪魔に変わることもありうるし、悪魔が天使に変わることもありうる。

魔女狩りの炎が燃えあがった原因は、複雑な問題をひどく単純化したことにある。


個人的な知り合いでもない実験助手が、あっち側の大学生たちは〃獣″のようだと伝えるのを小耳にはさんだだけで、他人に向ける精神構造のありかたが変わってしまったのだ

匿名状態(自分のことを周囲の人々が知らない、気にしていないと感じられるような状態)だと、反社会的な、利己的な行為は助長されかねない。


点呼の意味合いが徐々に変化するのは、興味深かった。最初は、自分の番号を覚えて大声で言っているだけだが、時間が経つにつれ、看守が権限全般を囚人たちに見せつける場になっていった。


看守セロスはのちに、興味深い心情を私たちに打ち明けている。トイレに行き来する際、囚人とふたりきりになると、看守の役どころを保つのが難しくなった、と。刑務所の設定という、外部の物理的な支えがなくなるからだ。


現実の刑務所もそうだが、囚人は驚くべき創造性を発揮して、ありとあらゆる物から道具をつくり、巧妙な逃亡計画を考え出す。時間の余裕と押しかかる圧迫が原動力になって、画期的な抵抗方法を思いつくのだ。


デイヴによれば、たいがいスピーカーを通じてしゃべるだけの私や所長に対しては、怒りを燃やす者がいないらしい。恨む相手は看守だけだ。
四人の若者のうち三人が、囚人役を四六時中演じて苦労の末に稼いだ金を捨ててまでも、釈放されたいと願い出たわけだ

報告会の二時間目は、元看守が集まった。ここでは先ほどとはかなり異なる感想が漏れた。囚人から〃良い看守″と評価された者たちは、実験が終わったことを喜んでいるものの、その他おおぜいは、中止の決定に失望を隠しきれない。せっかく状況をコントロール下において、あと一週間、楽に稼げると思ったのに、という点に不満を集中させた看守もいた

看守の中には、やりすぎだった、権限を享受しすぎたと、率直に謝ろうとする態度の者もいたが、逆に自分の行動を正当化し、与えられた任務をはたすには必要な措置だったと主張する看守も少なくなかった。

私たちは事前の予想で、閉鎖された空間で二週間も顔を突き合わせることになるのだから、囚人たちは共通の話題を探そうとするだろう、と考えた。ほかにも、大学生活、専攻科目、アルバイト、ガールフレンド、ひいきのスポーッチーム、好きな音楽、趣味、実験が終了したあと残りの夏休みにやりたいこと、今回稼いだ金の使いのスポーッチーム、好きな幸忌道、といった話題を予想した。
ところが、それは大はずれだった。予想はほぼことごとく裏切られた。囚人間の会話のゆうに九○パーセントは、この刑務所にまつわる話題だった。監獄実験に関連しない個人的な、あるいは経歴に関する内容はわずか一○パーセント。囚人の関心事は、もっぱら食事、看守から受けた恥辱、苦情処理委員会の設立、架空の脱獄計画、訪問客、ほかの監房や懲罰房における囚人のふるまいなどだった。

人間はふだん、悪い状況にぶつかると、これは一時的な不運だと割り切って、もっと違う望ましい未来を思い浮かべ、勇気づけられるような過去の出来事も考え合わせ、どうにか場を切り抜けるものだ。だが、囚人たちは悲惨な現状にみずから意識を集中してしまい、ますます事態を悪化させた。

影響力の強いある種の社会環境のもとにおかれると、人間性は急激に変化しかねない。

状況の力の中でも顕著な特徴のひとつは、ルールの力だ


時間が経つにつれ、ルールはみずから勝手に動きだし、法的な強制力をふるうようになる。ときには、あいまいだったり、もはや不適切だったりするルールまでが力を持ったり、施行者の気まぐれで変化する場合もある。

実験における看守たちは、囚人に対してひどい仕打ちをしても、〃これがルールだ〃と称して、ほとんどすべてを正当化した

集団のメンバーが没個性化された状態になると、精神のはたらきは変化する。いまこの瞬間だけが大きく膨らみ、過去や未来は無関係な遠い彼方へ退く。


少数派の影響力が最も大きかったのは、彼らが四つの特徴を備えているときだった。その四つとは、「首尾一貫した意見を粘り強く主張しつづける」、「自信満々に見える」、「頑迷で独善的とは思われない」、「社会的影響力を巧みに発揮する」だ。少数でもひたむきに説得すれば、多数派の力が削がれる場合もあるということだ。

「ルールはルール」だから従わねばならないと言い張って人々を支配する

権威者(ミルグラム実験における実験者)の本性は、当初は〃公正〃で合理的なものとし、その後、徐々に〃不当″で自分本位、さらには不合理なものに変える。この戦術は、まず追従を、続いて混乱を引き起こすが、それは私たち人間が、相手に一貫性を期待するからだ。いずれにせよ、この変化を見破れなければ、歯止めのない服従につながっていく

自分が匿名だと感じられる状況、誰も自分の正体を知らず、知ろうともしない状況では、個人としての責任感が薄れ、悪行に走る可能性が高まる。

スタンフォードでもアブグレイブでも影響力を持ったのが、退屈さだった。あらゆることが管理された長時間の夜間シフトから生じた退屈さは、興奮や刺激を求める強い誘因になった。結果として、どちらの看守集団も、楽しめそうだと思ったことをみずから〃起こす″と決めた。

スタンフォード監獄実験では、若者たちに囚人と看守の役を無作為に割り振った。すると、彼らはその役に合った態度とふるまいをすぐに身につけた。同じように、「あなたは役に立つ人です」と誰かに言えば、その人はそのレッテルにふさわしい態度と行動を身につけるだろう
ものごとの枠組みをつくる人は、芸術家か詐欺師になる。

スポンサーサイト
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)
http://honyonderu.blog28.fc2.com/tb.php/4182-e46c06a7

トラックバック

コメント

コメントの投稿

コメントの投稿
管理者にだけ表示を許可する

Appendix

Amazon

カレンダー

05 | 2017/06 | 07
- - - - 1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30 -

PR

月別アーカイブ

プロフィール

しげた

Author:しげた
個人事業を立ち上げましたが、勉強のため、日々多読をしています。

人気ブログランキングへ

メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

読書ツール

ブックストッパー
ブックストッパー 本を押さえるのに便利!!

FC2カウンター

ブログ内検索

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。