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帳簿の世界史  8

会計がいかに歴史上重要だったかという視点で語られる一冊。

戦争に金がかかるのは当然ですが、ここまでさかのぼれるとは驚き。

会計を管理することで、利益を上げたオランダ。
会計情報を公開したことで、処刑された王。

あらたな事実に気づかされる一冊です。

そして、しっかり帳簿つけなきゃ、という気持ちになれる。

帳簿の世界史
帳簿の世界史ジェイコブ ソール Jacob Soll

文藝春秋 2015-04-08
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君主が財政の責任をとらなくなったせいで、ヨーロッパでは何世紀にもわたり金融危機が頻々と起きた。

ルイ一六世の外務大臣を務めたヴェルジェンヌ伯は、フランス革命の八年前の一七八一年の時点で、アメリカ独立戦争の戦費が財政を圧迫していることに気づい ていた。ヴェルジェンヌ伯は、この事実を絶対に世に知られてはならないと主張する。王家の財政の公表は、君主制の至上命令である秘密主義に反するという理 由からだった

王家の収支と王国の危機的財政が財務長官ネッケルの手によって初めて白日の下にさらされたとき、ルイ一六世の神秘性は剥ぎ取られた。のちに王が断頭台送りになったのは、このことにも一因がある。

バビロニアのハンムラビ法典(紀元前一七七二年頃)は「目には目を、歯には歯を」で有名だが(これはこれで最も原始的な会計方式と言える)、じつは基本的 な会計原則や商取引の監査の規則も定めている。たとえば第一○五条には、現金を受け取ったときにその場で確認して領収書に署名をしなかった場合、帳簿にそ の取引を記入してはならないという規定がある

イタリアの商人は、仲間で資金を出し合って貿易を行う共同出資方式を採用しており、そのために各人の持ち分や利益を計算する必要があった。
誰が最初だったかははっきりしないが、トスカーナの商人たちが複式簿記を発展させたことはまちがいない。

ダティー‐二が死んでから七○○年以上も経っていることを考えると、その経営感覚の新しさには驚くほかない。彼は、共同出資方式で資本を調達して成功した のである。自分はほとんどた金を出さず、共同出資者や投資家を呼び込む手腕に長けていた。それができたのは、会計に精通し、単に基礎知識だけでなく、それ ぞれの事業に必要とされる高度な専門知識を備え、共同出資者や投資家に配分する利益をリアルタイムで把握できたからにほかならない。
多くの商人が、記憶頼みの単式簿記方式で事業をうまく切り回し、儲けを上げていたことは事実だが、大規模(M)な事業になったら、それではうまくいかない。ダティーニはそのことをよくわきまえていた。

賢い商人は必ず帳簿を二冊つけた。自分だけが見る秘密帳簿と、監査用のもっともらしい公式帳簿である。

ルイ一四世は、よく組織された官僚制や記録文書が自分の絶対権力に歯向かうことを恐れた。十分な情報を知るよりも、自分がすべてを掌握し支配していると感 じるほうを好んだ。コルベールの執務室を閉鎖し、情報を遮断した国王は、大臣同士を反目させ、思いのままに操れるようになった。
コルベールの死後、ルイ一四世の臣下がコルベールに匹敵する権力と情報を手にすることは二度となかった

コルベールのシステムを壊してしまったときに、フランスは長期的な低迷を運命づけられたと言える

ワットは、会計の重要性を身に沁みて理解していた。徒弟時代に父親からお金を借り、借金を返すために、そして自分の財務状況を父親に知らせるために、毎日一二時間以上働いてから複式簿記で帳簿をつけていたのである。

酔っぱらっている「無価値な職工」についてたびたび愚痴をこぼしていたウェッジウッドは、労務管理の効率化にも熱心に取り組んだ。児童労働者と成年労働者 の費用対効果を比較したほか、工程ごとに専門の職人を雇い、賃金は歩合制にしている。さらに革新的なのは、過去の販売実績に基づいて将来予想を立て、それ に基づいて生産計画を準備したことである。

それまで政府が予算の使途を公表したことは一度もなく、何も知らされない国民は王家の内情について「誤った憶測」をするほかなかった。国家の財政が秘密主 義のベールに閉ざされていたために、国民からすれば、自分たちから税金を搾り取り、金のかかる戦争に突き進み、ヴェルサイユ宮殿を始めとする建造物に大金 を投じる政府がどんな具合になっているのか、知りたくてたまらない。この情報の真空地帯に、ネッケルが踏み込んだわけだった。こうして彼の(焔)『会計報 告』以降、公的に入手可能な会計情報が政府の手腕を評価する重要な手段となる。
自分に対する攻撃をかわすためにネッケルがこの荒っぽい手口を採用したのは、無知な国民に財政の内情を教える啓蒙的な姿勢を示すためではあったが、じつはハッタリも混じっていた。
『会計報告』の大々的な発表は、改革を怯える国内の権力者を意識したものであると同時に、フランスは黒字なのだとヨーロッパ各国に、とりわけ資金の出し手であるスイスの債権者に知らしめる狙いが秘められていたのである

ネッケル自身が認めたように、じつは軍事費など五○○○万リーヴル以上が故意に除外されていた。これらは「経常支出」ではなく「特別支出」だから、という理由である。
政敵としては、ネッケルの数字を受け入れるほかはない。そこで、最初は数字を攻撃していた連中もすぐにネッケルの行動の批判に転じ、財務情報の開示自体を槍玉に挙げたのである。

「権力とは財布を握っていることだ」。アメリカ建国の父たちの一人、ハミルトンはこう喝破した



メルチャーによれば、いまや会計事務所の収入の半分以上をコンサルティング業務が占めており、本業を圧倒する勢いだという。コンサルティングと監査というおいしい抱き合わせ契約が大量に締結されており、おまけに企業幹部の中にはアンダーセンを始め大手会計事務所から引き抜かれた人間が大勢いるという状況では、「法的責任への配慮など消し飛んでしまう。平気で減価償却の期間を引き延ばしたり、四半期末に売上高を膨らませたりするようになる」。

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