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日露戦争、資金調達の戦い―高橋是清と欧米バンカーたち   10

タイトルのとおり、日露戦争を資金面から掘り下げた一冊。

そう、戦争をするには金がいるんですね。
国はどこかから金を作ってこないといけない。

税金だけで補えるかというと、そうもいかない。

まして、日露戦争時代、日本に多額の貯金も信用もない。

そんななかで、どう資金調達をしていったのか。

刺激的な一冊です。

日露戦争、資金調達の戦い―高橋是清と欧米バンカーたち (新潮選書)
日露戦争、資金調達の戦い―高橋是清と欧米バンカーたち (新潮選書)板谷 敏彦

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日露戦争において、国家の命運をかけて大国ロシアと戦う日本が戦費調達に絶望的になりかけた時、晩餐会でたまたま隣り合ったユダヤ系アメリカ人の金融家ヤコブ・シフが日本に資金を提供してくれたという、まことにドラマチックな話である。

貧しいながらもロシアが欧州で軍事的に最も恐れられていた理由はその人口を背景にした陸軍の兵力であった。一九○○年の日本の人口は四四○○万人であり、それに対するロシアの人口は一億二五○○万人を数えていた。
金を獲得するには金鉱山を持ち、金の採掘ができれば一番良いのだが、それが無い場合には輸出によって外貨を稼がなければならない。また逆に言えば、それは物資を海外から輸入すると金(正貨)が流出することも意味していた。

2つの意味で正貨が必要だった。ひとつは輸入物資を購入するための正貨であり、ひとつは増大する通貨発行量の準備に対する正貨である。

ロシアによる満州の植民地化に対して、市場の独占を阻止すべく門戸開放を唱えるアメリカやイギリスも、この両者の戦争を止めるインセンティブは何も無かった。むしろ両国から見れば、日本には彼らの身代わりとなってロシアに挑んで欲しいと考えていたのである。

ロシア側としては、当初、日本が本気で戦いを挑んでくるとは考えていなかった。日本の軍事力をかなり過小評価していたことも確かであった。従って交渉は進展しなかった。

戦争が始まるまでの兜町は、日本の敗戦を予想していたが、いざ戦争が始まるとすっかり開き直ってしまったのである。


ロンドン市場は、日露戦争を日本不利と明確に判断していた。しかも、この金利差は開戦以降、日を追って拡大を続けていたのである。緒戦の仁川沖の海戦、旅順港沖での海戦によって日本がとりあえず黄海の制海権を獲得したことも、ここでは評価されなかったのだ。

日露戦争は、当初考えていたよりも、戦費のかかる戦争だった。さらに戦争の長期化とともに戦費は拡大していくのである。
戦時中は厳しい増税がなされたのである。この厳しい増税の圧力は、やがて国民の不満となって爆発することになる。

ロシアの駐米公使のカシニーは買収資金をつぎ込み、米国の新聞紙上において、黄禍論や宗教論争を持ち出して、あけすけな日本へのネガティブ・キャンペーンを張っていた時期だった。
その対極として、この騎士道精神をも匂わす金子の礼儀正しさ、敵の名将を称賛しその不幸を弔する演説が、新聞紙上で好意的に取り上げられたのは当然のことだった。
クーン・ローブ商会の日本公債発行参入が記事になると、これまでのロンドン市場の冷淡な態度が一変し、自分達も、是非募集に参加させろという業者がひきもきらなくなった。

シフは、二月のユダヤ人商人会において、すでに日本への投資を決めていた。そこでカッセル卿と相談して、日本公債への投資のチャンスを探していたのだ。鴨 緑江で日露両軍の緊張は新聞等で伝えられていたし、マカロフ戦死のニュースで日本公債の価格は底を打ったかのように上昇し始めたので、彼らにとって次に想 定される鴨緑江の戦いは投資タイミングとして絶好のポイントだったのではなかっただろうか。
高橋は日本政府が戦争の継続は望んではいないこと、講和談判中は休戦に入るが満州にいる二○万の陸軍兵力は戦地に張りつけておく必要があり、経費がかかる こと、ロシアは日本に戦費が無いために継戦が困難だと考えていること、談判に当たり日本が十分な戦費を持っていればロシアも強気には出られないだろうこ と、もし講和談判が決裂となった時に募集に入ってもなかなか応募する投資家はいないだろう、というような理由を、シフに対して繧纏説明したのだった。

シフは本来、この発行には乗り気では無かったのだろうが、ドイツを巻き込む事でクーン・ローブ・グループの国際ネットワークの強化に役立てられると考えたのではないだろうか。また前回ディールからはずされたドイツには、募集に応ずる資金的余裕があるとも考えただろう。


日本は後の南満洲鉄道を獲得し、ロシア南下政策の脅威を取り除いたのであるから、国の財政状況、陸軍の継戦能力など詳細を理解するならば、この結果はそれ ほど悪い条件では無かった。しかし国民目線で見るならば、ただ単に賠償金が貰えなかったという事実だけがクローズアップされたのである。
しかも戦闘で勝ったのに、外交交渉で負けたというストーリーは、同胞の血を流したという意識のある国民から見れば、許容できるものではなかったのだ。小村は格好のスヶープ・ゴートにされたのである。

開戦前の一九○三年に五六○○万円だった内外の公債残高は、一九○七年には、内国債一○億一○○○万円、外国債一二億六○○○万円と、合計二二億七○○○万円にまで膨んでいた。これは、この年の名目GNPの六一%、また一般会計歳出六億二○○万円の三七七%に相当した。

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