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イスラーム国の衝撃   

最近の事件で、イスラム国と呼ばれる組織の過激さを知りましたが、以前から斬首映像が流れていたのですね。

そして、あの映像が単に脅しではなく、絶妙な調整をしたリクルーティング手法だったとは。

知らないことが山ほど盛り込まれている刺激的な一冊でした。

イスラーム国の衝撃 (文春新書)
イスラーム国の衝撃 (文春新書)池内 恵

文藝春秋 2015-01-20
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このような映像を公開するのはなぜだろうか。おそらく、「イスラーム国」側の観点からは、宣伝効果や威嚇効果が負の側面を上回っていると考えられているからだろう。「狂信者が残酷な行為を行っている」と捉えるだけでは説明できない。背後の綿密な計算と演出に注目すべきである。
シリアでは、処刑人も、意図的に英国出身者など被処刑者の同国人から選ぶことで、より大きな反響と議論を招くように計算しているのだろう。

米国をイラクとシリアに引き込む」ことはそれなりに合理的である。「攻撃してくる米国に対する自衛の戦争」と主張することによって、「イスラーム国」はより正統性を高める。

アルⅡカーイダの中枢・本体は、いわば「フランチャイズ」の支部を認証する権限を持つ「本部」の機能を持つようになった。アルⅡカーィダという店名や商標の「暖簾分け」を許可あるいは拒否する権限を持つ「本店」「本舗」のような立場になったとも言えよう。

組織を最小化し、組織間の指揮命令系統や連絡をなくすことで、組織末端の摘発による組織全体の壊滅を避けられる。テロを実行した後も、組織がそもそもなければ実行犯の背後にいる共犯者が芋づる式に摘発されることもない。

イラクの反米武装蜂起に参加した諸勢力の中で台頭したのが「イラクのアルⅡカーイダ」であり、組織改編や合併、改称をくり返して、現在の「イスラーム国」になった。
シリア東部・北東部に「統治されない空間」が広がったことで、国境を接したイラク西部や北部に展開する「イスラーム国」は、戦略的な後背地を得た。

「アラブの春」がもたらしたもう一つの帰結は、イスラーム主義の穏健派が、急激に台頭した上で失墜し、そこから生まれた政治的空白に過激派が台頭したことである。
穏健派が失墜したことで、過激派の信頼性は相対的に高まったのである。

エジプトのクーデタは、エジプト国内にとどまらず、アラブ世界全体に、制度内改革派の限界を印象づけた。「既存の制度は違法であり、腐敗し、制度内での政 治参加は、何ら肯定的な効果をもたらさない」とする過激派の従来からの主張に、一定の信頼が集まるようになったのである。

かっては米国や多国籍軍に兵を送る欧米やその同盟国の人員に対して向けられていたテロが、イラク政府とその人員に向けられるようになったのである。
「イスラーム国」は、資金面では、①支配地域での人質略取による身代金の強奪、②石油密輸業者などシリアやイラクの地元経済・地下経済からの貢納の徴収、といった「略奪経済」の域を超えない。
重要なことは、略奪でまかなえる程度の組織であるということであり、そうであるがゆえに、国際的な資金源を断つ努力も、短期的に大きな効果は生みそうにない。
「イスラーム国」をはじめとしたグローバル・ジハード運動の諸勢力の下に集った戦闘員は、基本的には個人で参加していることに特徴がある。傭兵を徴募して派遣する組織・会社が明確にあるわけではない。
戦闘員らは、金銭的な代償よりも、崇高なジハードの目的のために一身を犠牲にするつもりで、あるいはそのような高次の目的に関与することに魅力を感じて渡航している、という基本を押さえておく必要がある

二○一四年九月にCIAが開示した推計では、この年五月から八月にかけて急速に戦闘員を増加させ、二万人から三万一五○○人程度に達した、としている。 CIAは、それ以前に「イスラーム国」の規模を大まかに一万人と推計していたので、六月のモースル陥落の前後から八月の米国による空爆開始時期までに、 「イスラーム国」の構成員が倍増もしくは三倍増したと見ているわけである。
欧米コンプレックス、破壊・終末願望といった雑多なネガティブな感情のはけ口は、常に探し求められてきたが、現代では、それが「イスラーム」になりかけているのだろう。

「イスラーム国」が発する言説は、何かオリジナルな思想を主張することが目的なのではない。自らの権力奪取と支配を宗教的に正当化するために、イスラーム教徒が一般的に信じているか、あるいは強く反対はできない基本的な教義体系から要素を自由自在に援用してくる。
「イスラーム国」の知名度が世界的に高まったのは、巧みなメディア戦略の影響が大きい。
世界のメディアがこぞって取り上げたくなるような洗練された映像ビデオや、画像を多く用いたきらびやかな雑誌を次々に公開することで、世界の注目を集め、関心を引き寄せ、持続させてきた

残酷さが強調される人質殺害映像であるが(そして実際に残酷であるが)、残酷さのみを、ン鯉追求するのであれば、殺害の瞬間の場面を除いて編集するのは、 理にかなっていない。殺思害の瞬間を外して編集することの効果は、実は大きい。「その瞬間」を映さず、聴衆に想7像させるのは、演劇的な手法である。
「イスラーム国」の殺害映像は、欧米のテレビドラマ並みの鮮明で洗練された映像で、演技をしているかのように処刑が行われるため、インターネット上で世界の人々がそれを「うっかり見てしまう」、さらに言えば、密かに「享受してしまう」可能性を高める

「イスラーム国」が自らの存在を宣伝するには、無関係な第三者によって興味本位で転送されて広まるのが、一番効果的である。そのためには、話題に上る程度の衝撃的な映像でなければならない。しかし同時に残虐すぎてはならず、視聴に耐える範囲の残虐さでなければならない。

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