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「自分の子どもが殺されても同じことが言えるのか」と叫ぶ人に訊きたい―――正義という共同幻想がもたらす本当の危機  10

ネット界では、ものすごい批判されているという森達也氏の新作。

冒頭は、子どもとのクマバチのエピソードで読みやすく引きつけ、
その後、死刑制度へ切り込む。

テレビなどのマスメディアで一方的な情報を受けている人は、
視点を大きく変えてもらえる一冊です。

非常に面白い。



「自分の子どもが殺されても同じことが言えるのか」と叫ぶ人に訊きたい―――正義という共同幻想がもたらす本当の危機
「自分の子どもが殺されても同じことが言えるのか」と叫ぶ人に訊きたい―――正義という共同幻想がもたらす本当の危機森 達也

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厳罰化や管理統制の強化を肯定する多くの識者は、その理由に近年の治安悪化を挙げるけれど、その前提がまずはまったくの錯誤なのだ。治安は悪化などしていない。殺人事件の認知件数は毎年のように戦後最少を更新している
つまりこの男性にとって被害者の人権は、加害者の人権と対立する概念なのだ。
でもこの二つは、決して対立する権利ではない。どちらかを上げたらどちらかが下がるというものではない。
大きな事件や災害が起きたとき、この社会は集団化を強く求める。そしてこのときに集団内部で起きる現象の一つが、周囲の環境因子の簡略化や単純化だ。
発達したメディアによって、単純化はさらに加速される。なぜならば単純化したほうが視聴率は上がり、部数が伸びるからだ
現実は多面的で多層的で多重的だ。僕の中にも善と悪がある。あなたの中にもある。とても当たり前のこと。でも集団化が加速するとき、二項対立が前提になる
「死刑制度がある理由は被害者遺族のため」と断言する人たちに、僕はこの質問をしてみたい。
もしも遺族がまったくいない天涯孤独な人が殺されたとき、その犯人が受ける罰は、軽くなってよいのですか。

領土とは利権だ。ならば交渉はできる。何かに置き換えることも可能なはずだ。ところが多くの人はこの問題になると硬直する。代替案を発想できなくなる。交 渉を受け付けなくなる。ナショナリズムに容易くリンクする。互いに正当性を主張する。そもそもは歴史をいつから区切るかで変わってしまう程度の正当性だ。 でも互いに前提となる。その意味では正義に似ている。
メディアによって情報が流通する。それは当たり前のこと。でも情報と併せて感情も流通し、消費され、そして伝播する。特にそれが今回のような善意の場合は、摩擦がほとんど働かない。
善意は否定しない。できない。でも善意は陶酔しやすい。一方向に加速する。
だから周りが見えなくなる。その帰結として多くの不合理や不正義を生む。多くの人を苦しめる。

表現の本質は欠落にある。つまり引き算。ミロス島で発見されたミロのビーナス像が考古学的な価値に加えて優れた芸術作品になった理由は、両腕が欠損しているからだ。想像力を喚起するからだ。
一瞬でも素になったり間が空いたりしたらチャンネルを替えられてしまう。だから素や間を嫌う。考えさせることを嫌う。なぜなら考えたくない人が多いからだ。とにかく加算する。行間を埋める。隙間を許さない。身につけられるものなら何でも身につける
情報量が写真に比べれば圧倒的に大きいビデオやフィルムなどの動画は、観る側の意識を刺激しない。思うことや考えることを触発しない。なぜなら欠損していないからだ。思う前に説明するからだ。

治安が悪化しているとの前提に危機意識を煽られた世相は、集団化を進めながら敵の不在による不安に耐えられず、(九・二後のアメリカがそうであったように)自ら敵を作り出す。つまり仮想敵だ。
個の正当な情感や思考を、組織はこれほどに奪う。警察や検察などの組織内においては、有罪の宣告や死刑判決の増加は、いってみれば民間企業の売り上げ増大と同じ価値を持つ。そして裁判所や法務省にとって冤罪を認めることは、組織への多大なダメージを意味する。
中枢の意志を過剰に付度する周辺。そして周辺の意志を過剰に村度する中枢。互いに付度し合いながら集団は暴走する。一人称の主語を喪うからだ。特にオウム の場合は、教祖がほとんど失明状態でテレビや新聞を見たり読んだりすることができないため、弟子たちのメディア化が促進された。米軍が攻撃してくるとか自 衛隊が集結しているなどと、麻原の危機意識を煽り続けた。
そうした情報をマーケット(麻原)が好んだからだ。
連合赤軍やオウムだけではない。ナチスやポルポトや大日本帝国など、すべての組織共同体が引き起こす壮大な失敗の背景には、この相互作用的な付度が絶対に働いている。
昔から人は渦中では気づかない。気づくのはいつも事後だ。


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