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出発点―1979~1996  10


宮崎駿さんの初期活動時期における文章や対談内容をまとめた一冊。

映像をつくるとはどういうことか。

宮崎さんの社会を見る目は非常に刺激的。

トトロなども含めて、子どもに対するメッセージが痛いほど伝わってきます。

どういう視点で宮崎アニメが作られているのか、クリエイターがどんなことを考えているのか。

ものづくりに関わる人は外せない一冊でしょう。

これだけ豊富なコンテンツが一冊にまとまっているなんて!


出発点―1979~1996
出発点―1979~1996宮崎 駿

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日本では、戦争に負けた一時期、「まぼろし探偵」とか「鉄腕アトム」とか「少年王者」とか子供が大人よりも活躍するマンガが流行ったんですよ。大人が信用できなくなったんですね。
子供時代の五分間の体験というのは大人の一年間の体験より勝るんですよ。トラウマもそのときにできるわけでね、その時期にどれほど社会全体が知恵を絞って子供たちがいかにのびのびと生きられるようにするか。

個性なんてその子供時代の体験から育つもんです。
子供を日常的じゃない空間に連れていってあげるというのは大人にしかできませんから、大人が切符を買うなり、車を運転するなりして連れていってもいいけど、あとは子供たちに任せればいい。そうすると、子供たちはイキイキしますよ。大人はただお金を払って、「メシだぞ、集まれ-シ」とか、「遠くまで行くな」なんて言って、寝転がっていればいいんですよ。
ひとたび、アニメ製作の世界にはいってしまうと、次々と作品をつくりあげていくが、あまりに、本を読んで勉強したり、すぐれたイメージを創造するヒマすらもない現実だ。
なにより大事なことは、走りを通して、何を表現したいのか、という点なのだ。現実の人間の走りをマネしているだけでは、やはり駄目なのだ。

作り手が信じてもいないことを描けば、すぐ馬脚を現す。
いちどヒットしたものの踏襲をあえてしない
いつだって人材は不足している。足りない力で作品を作るしかない。それが自分たちの力なんだから。

今も、私の周囲で若い女性のスタッフが一日十二時間以上の仕事をしている。まだ日曜休日は休んでいるが、そのうちそれもなくなるはずだ。例によって、製作は順調におくれているのだ。ヒマがあるから恋をするんじゃないといっても、これでは恋するヒマさえないではないか。自分が二十代のころは、追い込みといったって最後の一カ月ほどを一種のお祭りとしてやればよかったのだ
テレビ局も多すぎますね。いま日本の抱えている文化の問題は〃多すぎる〃ということです。量が多すぎることは、質そのものを変えてしまいます。いまの漫画より昔のほうが良かったという人もいますが、昔は実は本数が少なかったので、何でも貴重なものだったんです。
「もっと寝ててくださいよ。いったい何時に寝るんですか」と聞いたら「朝九時です」という返事。「じゃあ、二時間しか寝てないじゃないですか」といっても、彼女は、そのまま起きて仕事をする。それが毎日です。
かんぺき「最後は腰がぬけます」と、その女性は語ってくれましたが、それができるのも、作品を少しでも完壁にしたいという気概があったからだといえます。
ひどいときになると、三十六時間ぶつつづけで見ます。

心に乾きがあってはじめて〃志〃は達成できる!
彼は猛烈に活動力を持っている人だったから、人の三倍位やってきたと思う。六十歳で死んでも百八十


動機づくりがたいていうまくいっていないから、人間が何のためにやってるのかわからなくなってくる。

司馬  想像力に現実を与えるためには、行かなきゃいけませんね。

宮崎  私は、子育てについては取り返しのつかない、痛恨の思いしか残っていません。仕事ばかりやっていて、子どもたちが一番面白かった時期に、家にいませんでしたから。
宮崎駿の頭脳はいつも忙しい。もし時間に余裕が生まれても、ぼんやり休息することはない。
創作に疲れた頭と手を、社内運営から席替えの陣頭指揮にいたるまでのハードワークによって休める。最近も、屋上庭園や震災用トイレなどの発案・設計・現場監督で頭を休めた。『風の谷のナウシカ』連載中は、徹夜で月毎の締切りに間に合わせたあと、「さあ、映画でも見てくるか」と元気良く街に出かけ、たてつづけに二、三本映画館をはしごしたと聞く。


彼は仕事中席をはずすとき、電気スタンドもカセットテープの音楽も消さない。これもまた、すぐに、すぐに戻って来なければ、という彼の強迫観念(強い責任感・義務感)がそうさせるのだ。

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